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2002年12月1日(日)雨のち午後曇。最低気温+2.5度、最高気温+6度。

天気予報ではまずまずの日和…、とのことだったので、今日は畑のクヌギの木の枝を、数本伐ろうと算段していた。
 ある経緯(いきさつ)があって畑の中に聳え立っている大木だが、木がつくる大きな日陰と、弱くなって折れる枝葉でぶどうに障害が出た。それで少し間引こうと思ったのだ。
 いつものボランティアのIさんとNさんが来てくれたが、あいにくの雨。しばらく空模様を眺めていたが、回復しそうにないので明日に延期。
 じゃあ…と、皆で村の温泉に。昼前というのにゆっくりのんびり手足をのばして湯に浸かる。そのあとはいつもの蕎麦屋で舌鼓。何とも賛沢気分で…極楽、極楽。こういう日もたまにゃ悪くない。

2002年12月2日(月)晴のちうす曇。最低気
温−0.2度、最高気温+17.5度。

 ボランティアのIさんと二人でクヌギの枝下ろし。太くて大きな枝を五本伐った。
 命綱をつけてソロソロと作業した。危険な作業だったが無事終了。クヌギもすっきりして良い姿になった。

ルンズのシンボルツリーの枝下ろし

クヌギの話_。

 2年前の夏、ぶどうをつくりに初めてこの地に入った。
 約5haの土地のかなりの部分が、大きな松の木が密生する山で、少し平らなところは灌木やイバラや草が生い茂っていた。
 その中にたった一本、こんもりとして雄々しく聳え立つ松とは違う木があった。
 当初は何の木か分からなかったが、やがて椚(クヌギ)と知れた。
 農地にするにはこれらの木を伐り、地面を均さなけれはならなかった。
2001年1月1日、農地の許可も下り、立ち木伐採の許可も下りて開墾を始めた。
 膝上までもぐる固い積雪に足をとられながら雪の日も、風の日も、毎日毎日木を伐った。
 そんなある日のお昼頃。
「アンチャン、アンチャン」と呼ぶ声がする。
何かな?と思って振り向くと、お年寄りが二人、こっちを見ている。
「ナンデスカァー」と応える。
「その木を伐るんかいー」とクヌギを指して云うから、ちょっと考え、
「ドウシテデスカァー」
「その木はさぁ、オラが嫁に来たときから見てるんさぁー」
 計画では、松はもちろん、畑の大きな障りになりそうな大木のクヌギは、即伐採…の方針だった。
 嫁に来たときから…と云うからには、多分6〜70年はこの木を見てきたのだろう。人生の大半を幾多の思い出と共にこの木と生きてきたのだ。
 どんどん木が伐られていく様を見て、慣れ親しんだクヌギの安否を心配しているのだろう。
「イイエー。コノ木ハ伐リマセンヨー」

  クヌギの周りに遊歩道(と、云うほど立派なものではないが)をつけて、ぶどうの垣根も分断して、そうして畑の中に残したクヌギ。畑を訪れる多くの人々が「ルンズのシンボルツリーだね…」と言って喜んでくれる。
 あのおばあちゃん達のおかげだ。
 ぶどうにとって多少の障りはあるけれど、なに、共存共栄、皆で一緒に元気に生きていこうと思う。

 

ルンズ・ファーム代表: 永澤 徹

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