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リンゴの収穫の手伝いに行ってきた。
行ったのは川場村のリンゴ農家で、ご夫婦二人で仲睦まじくやっている、宮田農園さん。赤城に来たてのころ、ボランティアのIさんに紹介されて以来のおつきあいである。
ルンズの畑を始めてから今迄、他の農園にお手伝いに行けるなんて余裕は全くなくて、多くの方々の力を借りるぱかりだった。でも今年は少しばかり作業の空き間ができたので、いつものボランティアの人々を誘って、まるで遠足にでも行くような気分で、キャホ、キャホと出掛けた。
心配された天気も、うまい具合に予報が外れ(?)、まずまずの収穫日和になった。
リンゴ畑は思ったより広い。奥深くまで踏み込んでも、ずっと向こうまでリンゴの樹で、畑というよりリンゴ林…といった趣。畑の中は風もなく森閑としていた。
雲が動き、ときおり、初冬の暖かく穏やかな陽光が、サァーと差し込む…。
その瞬間が実に素晴らしい。
視界一杯にたくさんの色が踊りきらめいてハッとするほどの美しい世界がひろがる。この世にあるすべての色が大集合した様だ。リンゴの樹の白。
黄葉した葉。紅く熟した実。足もとの土を覆う緑のクローバー。樹から伸びる梢の先にある澄んだ青い空。大きく分けれぱ、白、黄、紅、緑、青の五つの色なのだけれど、一つ一つの色が、複雑に変化し、動き、微妙な艶をもち、混じりあって、一つとして同じ色がない。
生まれて初めて経験するリンゴもぎは楽しい。が、今回は、「リンゴ狩り」といったようなお遊びの収穫ではなくて、リンゴ農家の一年に一回の収穫作業の手伝いなので真剣。
『リンゴもぎで特に注意することが二つあります』
作業に入る前、農園のご主人のマーさんが厳かに教えてくれた。二つの注意点をミスると商品価値が半滅してしまうとのこと、これは大変だ。
ボランティアのお礼にボランティア リンゴは手でもぐ。鋏などの道具は使わない。マーさんが作業の手本を見せてくれた。
まず収穫カゴを片手に持つ。プラスチック製で、持ち手のついたバスケット様の容器だ。実が大きいので手をいっぱいに広げる。リンゴの下側、斜め横から持って、親指か人差し指を樹と実の間に入れて、ヒョイと少し捻る。と…プチッともげる。見るところ簡単のようだ。
が、じつはこれが意外に難しい。後で自分でやってみて実感した。
リンゴは、春、一本の結果母枝の先に5〜6個の花をつける。けれど真ん中の花を残してあと
は摘んでしまう。大きくて美味しい良い実を育てるためだ。
花を摘むと、花をつけていた1センチ程度の、刺のような小枝(果梗。農家の人はジクとかリンゴのツルとかという)が残る。収穫のときその残った刺のような小枝でリンゴを傷つけてしまうのだ。しかもリンゴを捻ってもぐから半円状の大きな傷になってしまう。
そして、もう1つの注意点、これも果梗。
リンゴをもいだとき果梗はリンゴのほうに付いていなけれぱならない。これがないとリンゴの姿がキマラない。(そりゃ、そーだよネ…。リンゴの絵を描く時、誰だってピョコッと突きでたジクというかツルというか、ヘソの緒みたいのを描くもんネ。…納得。)
この二つの注意点をクリアーするために、樹と実の間に指を入れる。指が安全装置の役目をするのだ。
プチッともげたらソッとカゴにいれる。2〜3時間も経ったころようやく慣れて、ちゃんとした商品になるリンゴを手早く収穫できるようになった。
リンゴでもブドウでも収穫は良い。帰りの夜道でも、こころはあたたかく豊かだった。

ルンズ・ファーム代表: 永澤 徹

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