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 小公子の花が咲いた。ルンズの畑では、「小公子」と「ノートン」という、2種類のブドウが育っている。
 ついこの間まで、くもりや雨のぐずついたお天気が続き、ブドウもイマイチ元気がなく、(今年はこのまま梅雨入り…かナ?)と、心配していた。だがこのところの数日は良い太陽に恵まれ、ひとまずホッとしていた。
 なんてことはない。結局、去年より1週間も早く咲きだして、あと2週間もすれば、ノートンの花も咲くことだろう。
 ブドウの花芽は、ブドウの形をそのまま小さくしたようだ。ツブツブがいっぱいついていて、咲くときはツブの一つ一つがパッと開く。線香花火のような、白くて小さくてかわいい花である。
 花の期間はほんとに短い。ツブツブが毎朝パッパッパッパッと咲いていき、オッ、オッ、と思っているときには、もう、緑の超小粒玉だが立派なブドウの実になっている。
 花芽は最初上を向いている。が、だんだんと実が成長し、大きく重くなるたびに、少しずつ少しずつ下を向いていって、やがて「ブラ下がり」状態になる。こうなった時が、たいがいの人々がイメージする、正しい?ブドウの姿だろう。
 開畑以来4年目。これほどの質と量のブドウの開花は今年が初めてだ。一本、一本の木にビッチリとついた花芽は、今秋の豊かな収穫を想わせて胸の底からなんとも嬉しい。来年秋が本格的な収穫になるが、この秋も相当な(準本格的と言ってもいい)ものだろう。それを思うとついつい頬が緩んでしまう。
 が、じつは今年ルンズで花開くのは、小公子とノートンだけではない。
☆☆☆
ジャン・ジャ・ジャーン「ワイン美容液」誕生! 「ぶどう農園で生まれた美容液、ルンズ・スティルワイン・エッセンス」が誕生した。
 自分はかねてより日本の「鯨の文化」を、凄い!と思い、ひそかに誇りと憧れを持っていた。壮絶な戦いの末に捕らえた鯨の、肉はもとより骨も油も皮もヒゲさえも、鯨のすべてを利用し尽くすことに、鯨の命を自分が生きるために奪った、人間の、鯨に対する感謝と礼儀と畏敬の念を感じていた。
 人の命は、他の命を以てしか養えない。その絶対的な事実を思うと、日頃、宗教にはほとんど縁のない自分でも、仏教でいう「輪廻」や「業」のようなものを深く感じる。
 ブドウを育てる!と決めたときから、ブドウのすべてを利用し尽くそう、と考えていた。だから農薬の類は一切使わなかった。科学的につくられたものは、人の命もブドウの命も養えない、と考えていたからだ。
 ブドウのすべてを利用し尽くす…。まずブドウの実。もちろんこれは搾って、発酵・熟成させてワインになる。
 そしてその時に発生する残渣が澱(オリ)。このオリの利用を考えた。今まではただの廃棄物だったものだ。
 縁あって新潟の大学内に研究室を持つ、化粧品の開発・製造メーカーの社長さんと巡り会った。この社長さんに、オリの分析と活用の可能性調査を依頼した。その結果、オリは「廃棄物」ではなく、「未利用資源」であることがわかった。
 農薬を使っていたらこうはいかない。残留農薬やらの問題で、やはり廃棄物である。
 土を大事に、そこに棲む微生物を大事に、そしてブドウの生命が本来持っている「イノチノチカラ」を大事に、それのみを心がけて育ててきたブドウ。そして産まれた未利用資源のオリ。その可能性は殆ど無限大に展がる。
 活用第一号が「美容液」である。人が生まれながらに持っていて、加齢とともに減少する肌の保湿因子の組成と、オリの組成がとても似ていた。それで美容液になった。
 そのほか、搾ったあとの果皮と種も、剪定後の枝もすべてが活用できる。今後、徐々にこの通信で報告、紹介していきたい。

ルンズ・ファーム代表: 永澤 徹

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