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 恒例の春のコンサートが無事終了した。これが何回目のコンサートだったか、迂闊にも忘れてしまったが、昨年のようなどしゃ降りの雨にもならず、暑くも寒くもなく、周りの山々からわたってきた、緑の風がそよ吹くなかでの、心地好く楽しいひとときだった。鳥がさえずる畑でのコンサートは、天気さえ良ければほんとうに気持ちがよい。
 ステージは、ぶどうの垣根の際の、畳4〜5枚ほどのスペースに設置する。高さはほとんどなく、地面から20〜30センチ。このステージはいつもボランティアのIさんが一人で作ってくれる。
 企画や出演者の手配はやはりボランティアのYさんがすべてを引き受けてくれている。案内ハガキはHさんだ。
 昨年までは〈ブルーグラス・パーティー〉といったが、今年は〈ピクニック・コンサート〉と、Yさんが名づけた。
 その由来についてYさん曰く、「初夏の爽やかな風に吹かれてのコンサートなので・・・」
 薫風の中で、音楽を聞きながら、家族や友人たちがお弁当をひろげ、くつろいだ雰囲気でおしゃべりに興じる様子は、なるほど、ピクニックそのものである。
 幼い子供たちが、畑の中を駆け回り、そこここに咲く花を摘み、小石や、たまに落ちている鳥の羽を拾ったりしている。
 もっとちいさな幼子は、親に抱かれて周囲の喧噪をキョロキョロと見回したり、あるいはまったく関係ないように乳毋車の中でじっと空を見上げていたり・・・。その光景はほんとうに平和そのものだ。おおぜいの人々に支えられてのコンサートなのだが、やって良かったと、しみじみ思う。

最後の松林も、きれいな畑に  とは云うものの、準備のすべてはYさんとIさん。しかも当日は自分の分のお昼まで用意してくれる。自分はただ傍観し、ご駆走をいただき、幸せな時間を楽しんでいるだけ。
 コンサートが終わりみんなが帰って、一人だけの開拓小屋に落ち着くと、「こんな幸せがいつまでも続くはずはない・・・」と思い、傍観するだけの自分を反省する。
 それでも少しだけ得意なことがあった。YさんやIさん等にも感心され、面目をほどこしたようでホッと一安心したものだ。
 それはルンズの畑で(ただしくは畑用地と言うべきか)最後まで未開墾だった土地が、やっとすべての作業が終わり、グランドのようにきれいに整地されたことだ。
 ルンズ・ファームの畑は、畑全体を縦に二分するように、真ん中を村道が通っている。
 開拓小屋からみて、小屋のすぐ前の畑をNE地区、その下にある畑をNW地区といい、村道の向こう側の小屋側をSE地区、その下をSW地区といっている。NEとNW、SEとSWの間には、幅約8メートルの中道とよぶ道がある。
 それぞれの畑は、村道と中道で隔てられ、面積はまちまちだが、独立した四つの区画になっている。
 ちなみにNEの意味は、村道からみて北側にある東寄り(上の部分)の畑のことで、NWは北側の西寄り(下の部分)、SEは南側の東、SWは南側の西。
 地続きの、同じような場所にある畑だが、四つの区画それぞれに、畑としての個性・特徴があって、これらの畑からどんなワインが生まれるか、とても楽しみだ。
 今度開墾したところは、元、松山で、数百本の松を伐り、根っ子を掘り起こし整地した。面積はまだ実測していないが、およそ1haほどだろうか。2001年から5年越しの開墾で、ここまでくるのに難儀した。
 NEの西、NWの南、SWの北に位置するこの土地には、順調にいけば来春、凍てつく地面が溶けたころ、ぶどうの苗木が植えられ、ルンズ・ファームの五区画目の畑として仲間入りすることになる。

ルンズ・ファーム代表: 永澤 徹

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