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 以前、なにかの雑誌で、ブドウ畑や林がモザイク模様に展開する、美しい田園風景の航空写真を見た。
 その印象があたまからはなれず、それからずっと、上から見たルンズの光景を想像していた。航空写真が欲しいと思った。しかしふつうではなかなか手に入るものではない。
 なのにさきごろ思いもかけず入手することができた。このページの下段の写真である。
 いきさつがある。
 このことは、ある意味とても不謹慎なことなのだが、まったく他意のないことなので、どうか笑いながら読みとばしてほしい。
        ・       ・
 週末ともなるとルンズの畑の上空には、ブォーンというエンジン音とともに、パラグライダーが飛来する。その数は多いときには六〜七機にもなる。
 操縦する人の姿がはっきり識別できたり、豆粒くらいに見えたりさまざまだが、ゆったりと気持ちよさそうに空を遊んでいる。
 ある日曜。いつものボランティアのみんなと午前中の仕事を終え、弁当をひらいていた。
 この日も青空のなかをいっぱい飛んできた。
 色鮮やかな紙風船が漂うようなその美しさにみんな箸を止め、見入っていた。やがて…。


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写真中央が1年目に植えたぶどう畑。道路をはさんで右側が3年目、この写真よりも右側に4年目(昨年)に植えたぶどう畑がさらに広がっている。下の台形部分は今年5年越しに開墾になった部分。 ●この写真を撮影された方を捜しています。心当たりの方はWT編集室<0284-72-6867>またはルンズ・ファームまでご連絡下さい。
空からルンズを見る。  「あのさあ、あの中のだれかが畑におっこちるなんてことないかねえ。ケガのない程度でさあ…」と、私。
「なんで」とボランティアの一人。
「お友だちになれたらいいな…と思って」
「……?」
「あのね、おっこったらサッと駆けつけてさ、『大丈夫ですか? ケガはありませんか』っていって助けてあげるのさ」
「フーン…」
「でね、お友だちになって、そのうち、『助けてくれたお礼に…』とか『お友だちの記念に…』なんて話題になったら、『この畑は上から見たらどうですかあ』と聞くわけ」
「そんで?」
「するとね、『とってもきれいですよ』って、きっと言うから、『自分も見てみたいなあ』というわけ」
「……」
「そこでね、『こんど写真撮っていただけたらありがたいんですけどォ…』って頼むんだ」
「……」
「『そんなことお安いご用ですよ…』なーんていってさ、写真とってくんないかなー」
「ハッハ、そんなうまいぐあいにいくかねえ」
なんて冗談ばなしをちょっとした。
 それからしばらくした九月のある日。隣村の昭和村から飛んできたパラグライダーが、引き返そうとルンズの畑の上でUターンしたのだが、向かい風が強くて前に進めず不時着した。
 ビックリした。幸い、落っこちたというのではなく、パラシュートを操って降りたのでケガはなかった。
 その時たまたまボランティアのNさんがその場で草刈りをしていた。操縦していた人とほぼ前述のような会話が交わされ、その結果、写真が届いたというわけだ。
「願えば叶う」とか「瓢箪から駒」といった言葉があるけれど、昔の人はよくいったものだと改めて感心した。
 しかし、畑に落っこちることを決して「願い」はしなかったので、念のため…。

ルンズ・ファーム代表: 永澤 徹

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ルンズ通信は「渡良瀬通信」で連載中です。
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