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  この秋の収穫も無事におわり、ぶどうの樹々にも安堵の雰囲気が漂い、畑には静かな日々がおとずれてきた。
 日毎に深まりゆく秋の気配に、同化するように、つい昨日まで緑色だったぶどうの葉が、いつの間にかしっとりと黄葉している。
 穏やかな秋の日ざしにつつまれてやすむ畑を見ていると、ついこの間までの、気ぜわしかった春から夏の毎日を、いまはもう懐かしいような気持ちで思いだす。
 冬の厳しい風雪のなかで花芽を膨らませ、寒気がのこる早春に、線香花火のような小さな花を咲かせ、その花は、あっというまに終わった。
 はしり梅雨のころ、マッチの頭ほどの大きさで、青真珠のように結実した幼い実は、長い梅雨を、まるで雨の雫に磨かれるように過ごす。
 燃える太陽が畑を灼くころ、ビー玉よりやや小さいくらいに成長した実に、ポツポツと薄紫の色がつきはじめ、やがて黒真珠とみまがうほどの立派な粒に育っていく。
 その頃には、蔓珠沙華が畑のみちばたに揺れ、赤トンボが陽炎のような儚い羽を休め休め飛んでいる。
 ここまで順調に育ってきた実も、ここから先に最大の試練が待ちかまえている。
 秋の長雨だ。
 秋は、「天高く馬肥ゆる…」に想うように、すがすがしく高く澄む青空の日々、といったイメージがある。が、じつは梅雨に匹敵する長雨の季節でもあるのだ。
 ナスビの腐れ雨…だとか、何々の腐れ雨…などと、昔から農家には忌み嫌われている。
 今年はその雨が異常に多かった。
 9月の下旬からすっきりした晴の日がなくなり、10月に入ってからも、晴れの上天気という日は4〜5日しかなかった。
 ぶどうにとっても農家にとっても、むずかしい、試練の年だった。
あてにならない天気予報  それにしても、天気予報がよく外れた。
 言うまでもなく、農業にとって天候は大事な要素。大げさでなく、天候が死命を制する。
 その大事な天気の予報が、ころころと変わり、あげく外れるのだからたまらない。
 予報だから、的中率十割とはもちろん言わないが、七割から八割はキープしてほしい。五割では、ゲタ放りなげ裏表予報とかわらない。最近の(ほとんどあたらない)は、問題外…。
 このごろの予報の的中率の悪さは、地球環境の変化に起因しているのではないかと、考える人はきっと多いことだろう。
 天気を予測するのに、  各地のデータを集めたうえで、あっちの1と、むこうの1と、あそこの1を足して、ここの1を引くと2。…てな要領で予測するのだろうか。
 だとして、それでまあまあの的中率だったのが、あっちの1とか、こっちの1とかが、今までのような1のまんまではなくなってきていて、結果、今まで通りの2にならなくなったのではないだろうか。
 今まで積み上げてきた予報技術の基となる各地各種のデータが、地球環境の変化によって微妙な狂いとか、誤差を生じているのではないか。
 データとしての読みとり方や精度を再検討すべきではないのだろうか。etc、etc…。
 しかし自分らがアレコレ考えるこの程度のことは別として、予報が外れていることをいちばん知っている気象庁や担当者が、予報の精度を上げるために、だれよりも考え、対応策を検討していることだろう。
 リストラばやり、民営化ばやりの昨今だけれど、国や、そこで暮らす民にとって大事な気象全般を担うお役所だから、必要な器材はどんどん調達し、必要な人材はどんどん確保して、日々、正確な予報と気象の情報を、提供してほしいと切に願っている。

ルンズ・ファーム代表: 永澤 徹



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