![]() |
|
![]() |
|
今回は因縁めいたはなしをひとつ。 木彫を業としている友人がいて、「木魂」ということを教えてもらった。文字どおり木の魂のことで「もっこん」と読む。 いまから六年前の冬、畑をつくるために開墾していたときのはなしだ。 そのころの自分はぶどう畑をつくることだけに夢中で、毎日、松山を切り拓いていた。 自分より何十年も昔から生きてきた大きな松を伐り倒すとき、(もうしわけない…)という気持ちはあるものの、「拓かれた大地、整然と広がるぶどう畑」のイメージのほうが勝っていて、伐ることの罪悪感は日毎にうすれ、来る日も来る日も伐採に没頭していた。 そんなある夜。真夜中と思われる時刻に、突然、雷のような音とともに小屋が揺れた。大きな地震かと思い飛び起きたが、地震のニュースはなかった。そのあと数日のあいだ、同じように三回揺れた。 日中は日中で、自分と松との関係は格闘のようになっていた。 伐られた松が倒れるとき、最後の抵抗を示す。自分の生命を伐った人間を道連れにするかのように、複雑な倒れかたをして、一瞬の油断が命取りになる。 不眠と緊張で、こころが荒んだ。 穏やかだった松山は、殺伐とした異様な空気が漂いはじめ、このときになってさすがに異常を感じ、友人にことの次第をはなした。 「それは永澤さん、木魂の怒りだ。木魂を鎮めなければだめだよ。木には魂があるんだ」 相談すればきっといい智恵をかしてくれると考え電話をしたのだが、友人は即座にそんな凄いことを言った。 教えてもらったとおりに松と対面し、話しかけ、許しを乞うた。それでなんとかおさまったと、自分では思っていたのだが…。 ![]() |
![]() |
ここ三年のあいだ毎年二月になると、決まって大きな病気やケガをしている。療養にはいつも二か月以上かかる。 二月、三月という時期は、六年前にガンガン松を伐っていた時期と一緒。松山のなかが重苦しい空気に覆われていた時期だ。 長い療養で弱気の虫がでている自分は思う。「まだ松は自分を許してくれてはいなかったのだ」と。 あのときあんなに懺悔し、伐ったあとの松と土地がどのようになるかをはなしかけ、こころのなかで詫び続けたのに。 そしていま畑を訪れる人々に、「ここにはこういう松山があって…」と、伐った松のことを語っているのに。 それだけでは許されなかったのだ。それだけ業の深いことを自分はしてしまったということだろう。 しかし病やケガが癒えて畑に戻ると、(やっぱ畑はいいなぁ。土の香り、鳥の声、おおらかな景色、空気の色…もう何もかも最高だぁ) そう思った瞬間、弱気の虫は吹っとんで、病気やケガは松のせいではない、松はもうとっくに許してくれていると、強気の虫が言う 。 冬の病気やケガは春夏秋の体調管理に問題があるのだ。 ルンズのぶどう畑に農閑期はない。一年中仕事がある。とくに春夏秋は仕事の種類も量もすごくて、照りつける太陽の下での作業はきつい。休みもなかなかとれない。 収穫が終わり冬になると剪定だ。剪定は手先だけの仕事で、身体はほとんど動かさない。一日中、北風にあおられ身体が冷えきる。 身体の芯まで冷えきる日がいくにちか続くと、そこで疲れきっている身体のバランスが崩れるのだ。結果、病気やケガということになる。(…のではないか?) 今年の春夏秋は体調管理に万全を期し、あの日松と交わした約束を、ルンズはちゃんと守っている、だから松はもう許してくれている…ということを確信できる冬を迎えてみたいと、こころから願っている。 ルンズ・ファーム代表: 永澤 徹 |
![]()
■ルンズ通信 目次へ |
| ルンズ通信は「渡良瀬通信」で連載中です。 http://www.macpro.co.jp/326 |
![]()
| Site Navi | |ホーム|プライバシーポリシー| | |
| 初めての方はご覧下さい | |ぶどうとわたし|わたしのひとりごと|ルンズの仲間達| | |
| 随時更新のコンテンツ | |ルンズのアルバム|ルンズ通信|メディア紹介の履歴| | |
| あそぶ・たのしむ | |ルンズ・ファーム倶楽部| | |
| 自然の恵みから | |ルンズ美容液| | |
| ご連絡・お問い合わせ | |所在地・連絡先|お問い合わせフォーム| | |
| その他 | |リンク|サイトマップ| |
| E-Mailでのお問い合わせは、お気軽にこちらまでどうぞ。 | info@luns-farm.com |
| Copyright © 2001-2006. Lun's Farm Vineyard Akagi. All rights reserved. | |