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 今年も残り僅かとなった。畑のぶどうもすっかり葉を落とし、今まで君臨した主役 の座を、周囲の山々に譲った。
 山々は、日を増すごとに澄みわたる大気の中で、迫り来るように雄々しく聳え立っ ている。高い峰はすでに冠雪し、紅葉をなお惜しむ山肌の細やかな色合いが、殊の外 見栄えがよい。これから冬の間、ルンズを訪れる人々は、小さく剪定されたぶどうに、 「あらら…」というだけで、遠く近く展開する大自然の絶景に見愡れ、称賛の声をあげ ることだろう。
 21世紀最初の日に誕生したルンズ・ファームも、6年の歳月を重ねることができた。 一日一日の積み重ねで、漸くここまできたが、試練の日を数えれば遠く、歓喜の日を 数えれば、アッ、という間の日々だった。
「ルンズ・ファーム赤城ぶどう園」がこの畑の正式名称だが、この名前を決めるのに さほど時間はかからなかった。
「ルンズって何語?どういう意味?どうしてこの名前にしたん?」と、よく質問される。 そんなとき、答えに少しとまどう。なぜなら、聞いたたいがいの人が、「カクン!」と くるのが常だから。質問した人が思っていたことと、答えの内容のギャップが、大き すぎるのだろう。

七つの誓い 「命名」は、たいした意味もないことで、自分がかつて仲間たちから「ルン・ルン」 と呼ばれていたので、それでなんとなく「ルンズ」になった。あまりに単純かついい 加減で、考えてみれば、質問に答えるたびに恥ずかしくなるのは、当然の報い…なのか もしれない。
 ルンズ・ファーム赤城ぶどう園の名前を決めたとき、常々より自分が思っていたこ とを一枚の紙に書き留めておいた。
 特にあらたまったものではなく、あんなふうにもこんなふうにも…といった、畑、農、 人生、社会などに対する、夢や希望や思い入れなのだが、自分が自分に対する約束と して、「七つの誓い」と題した。
 きちんと書き出してみると、それはそのまま、畑の思想・行動規範になった。が、 同時に、自分自身にとっても、かけがえのないものだということが、後になってわかっ た。
 ほぼ毎日、一人だけの日が続く畑暮しで、その日その日の「試練」と「歓喜」が積 み重なってくれば、その重みであちこちが、出っ張ったり歪んだりする。その歪みを、 正したり、癒したり、励ましたりしてくれることである。 自分が自分に約束したこと を記した紙一枚が、これほどのこころの喜びをもたらしてくれるとは、まったく思い もかけなかった。
 今までの6年間は畑づくりに精魂を傾けてきた。面積、栽培法、品質、ほぼ目論見通 りといっていい進展である。
 この6年は「第一創業期」。「第二創業期」は、今日から。創業期を第一、第二と考 えるのは、自分との約束を具現化するためのステップだからである。
 第二の創業期に踏み出すにあたり、「七つの誓い」を念頭に刻み、心新たに、初心 忘れることなく理想に邁進したい。

ルンズ・ファーム代表: 永澤 徹


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