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 新年早々、「そんなこたぁ、知ってるよ」と、鼻白まれるかもしれないが、2007年 の元日は、月曜日で大安、だった。
 カレンダーを見てこのことを知った瞬間、(こりゃぁ、なんだか幸先いいぞ!)とワク ワクした。別にどうということではないのだが、新しい年のスタートが月曜日で大安 というスムース感が、なんだか縁起がいいようで嬉しかったのである。
 畑を拓いてからずっと、新年を迎えるたびに、「今年こそは正念場」と奮い立って きた。いつもなにかしらの壁が立ちふさがっていて、それなりの覚悟をして臨まない と、とても無事には乗り切れないぞ、という気持がそうさせてきた。
 その「正念場」も、年を重ねるごとに深刻さを増した。7年目に入った今年は、これ 以上はない「正真正銘の正念場」を迎える仕儀となった。そんなときに、縁起のよさ そうな元日に、梅のほころびを見るような心地で、こころ和んだというわけである。
 開畑以来今日まで、「安全で滋養に満ち、美味しい」ぶどうを育てることに、全精 力を傾けてきた。
 人の生命を育む作物は、なによりもまず安全でなければならない。次に生命を育む に足る滋養に満ちていること。そしてこころを豊かにする美味しさ。
 この6年間、自分が納得できる栽培法を試みてきた。「試行錯誤」「暗中模索」「五 里霧中」。熟語そのままの日々が来る日も来る日も続いた。降参!はしなかったものの、 結構、参ったこともある。様々な試みを一つ一つ積み上げ、今はようやく前途に希望 を得るまでになった。

正念場  そのルンズ独自の栽培法で育てた、03年、04年収穫のぶどうが、昨年、ようやくワ インとなって相次いで世の中に出た。やがて多くの人々から、思いもかけないほどの 称賛の言葉をいただいた。
 とても嬉しかった。決して面にはださなかったが、自分のなかでは常に、(間違って いないか?)という疑心を、自分が固執する栽培の考え方や技術に抱えていたから、ほ んとうに嬉しくありがたかった。目指す方向に自信を持てるようになったのはこのと きからだ。
 農家にとって一番大事な、作物の栽培に対する方向と技術を、ほぼ確立することが できたことは本当に幸せなことだ。今後の歩みにも勇気が湧いてくる。
 今年は自分の考えていること、やろうとしていることを、外に向かって大きな声で 語ろうと思っている。
 農村は、食料を生産することにより、人々の生命と健康を守ってきた。同時に、環 境や文化や伝統なども守り育ててきた。それらを受け継ぐために、人の知恵や絆、人 間性をも培ってきた。その大事な農村が、急速に疲弊し崩壊しつつあることは周知の ことである。
 そして今、農村の変化と歩をあわせるかのように、社会全体がおかしくなってきて いる。社会規範が歪み、人の生命や人間性が粗末にされ、幼い子や弱者が虐げられ、 犠牲になっている。
 日常茶飯事の出来事に、人のこころの琴線も慣れ始めているように思う。知らぬ間 に感性の摩耗が進み、人が本来持っている温かな潤いも、少しずつ枯れ始めているの ではないか。
 このような社会の現象に、農村の荒廃や食の安全性などの問題が影響を及ぼしてい ることは否定できない。
 ルンズ・ファームは、単なるぶどうやワインの生産現場ということだけではなしに、 農村が今まで担ってきたことの万分の一でも担い、人と社会に貢献することが使命で あると考え、行動することを決意している。

ルンズ・ファーム代表: 永澤 徹


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